フランス南部プロヴァンス地方にある、ワイナリー・現代アート・建築・ガストロノミーが融合したユニークな複合施設「Château La Coste」に行ってきました!
ここは広大な葡萄畑の中に、世界的な建築家やアーティストの作品が点在している場所です。
世界を代表する作品を見れて、美味しい食事もできて、ワインも飲めちゃうという、大人にとって夢のような場所なわけですが、一体どんな作品が見れて、どのように展示されているのでしょうか?
ご紹介していきたいと思います。
「Château La Coste」

ピン!と水が張られた噴水?池・・・?の中央には日本を代表する建築家・安藤忠雄さんの作品である建物が佇んでいます。

建物を正面にして両サイドに水が張られているのですが、とても美しい入口でした。
「Maman(ママン)」

右側には、早速Louise Bourgeois(ルイーズ・ブルジョワ)さんという、20世紀を代表する現代美術家の作品で巨大な蜘蛛の彫刻 「Maman(ママン)」がお出迎えしてくれました。
これはかなりインパクトがありましたよ!
それにしても、何故蜘蛛の名前に「Maman(ママン)」・・・?と思ったら、作者のLouise Bourgeois(ルイーズ・ブルジョワ)にとって蜘蛛は母親の象徴だったそうなんです。ブルジョワの母親は、家業としてタペストリーの修復をしていたそうですが、蜘蛛の糸を紡ぎ、壊れた巣を何度も修復する姿に母親の姿を重ねて見ていたそうです。
それだけではなく蜘蛛のお腹には大理石の卵が入っていて、「母性・子どもを守ること・命を育むこと」も表現されているんですって。
恐怖の象徴である蜘蛛を、愛情や保護の象徴へと反転させた作品として高く評価されているとのことで、納得の作品なんですが、まだ建物にも入っていないのに、素晴らしい作品に出会えてしまって衝撃を受けました。
さて、これからどんな作品が見れるのでしょうか・・・
チケットについて

建物を入るとすぐにお土産屋さんがあります。

安藤忠雄さんがデザインした時計なんかも売っていて、興味深かったのですが、それよりもここではまずチケットを購入します。

チケットは大人一人につき15ユーロで、10歳以下の子どもは無料です。
チケットを買うとマップをもらえました。「かなり広大な敷地で全部見て周るのは難しいからオススメに印を付けておくね!」とスタッフさんが親切に印をつけてくれました。
アート散歩のスタート!

ということで、早速アート散歩のスタートです!

少しガタガタ道や階段はあるものの、ベビーカーでも周ることができます!子連れには嬉しいですよね♪

こんな感じの坂道を登っていきます。
「The Marriage of New York and Athens」

早速1つ目の作品が見えてきました。
こちらは、Frank Gehry(フランク・ゲーリー) と Tony Berlant (トニー・ベルラント)が共同制作で作った「The Marriage of New York and Athens」という作品です。作品名に2つの都市名が入っていると思うのですが、現代と古典、都市と文明を象徴しているんだそうです。作品名にある「Marriage(結婚)」とは、この二つの文化的世界を対立ではなく結び付け、新たな創造を生み出すという比喩表現なんだとか・・・
現代アートは意味を知ると、作品に深みがでますね。

この作品の横には階段があったのでここはベビーカーを持ち上げて登ろうと思ったら・・・

息子にエンジンがかかり歩いてくれました!結構な急坂なのでハラハラしながら息子を追いかけましたが、2歳児でも登ることができましたよ!
「La Grande Croix Rouge」と「La Chapelle」

今回のメインと言っても過言ではない作品の前に到着しました。
こちらはJean-Michel Othoniel(ジャン=ミシェル・オトニエル)さんの「La Grande Croix Rouge」と安藤忠雄さんの「La Chapelle」です。
この作品は非常に深い意味があるのですが、まずはJean-Michel Othoniel(ジャン=ミシェル・オトニエル)さんの「La Grande Croix Rouge」からお話しましょう。
Jean-Michel Othoniel(ジャン=ミシェル・オトニエル)さんの「La Grande Croix Rouge」は、高さ約4メートルの巨大な赤い十字架で、イタリア・ヴェネチアのムラーノ・ガラスで作られています。この場所がワイナリーということから葡萄の赤を連想して赤の十字架にしたそうです。また、ワイン → キリストの血が連想されることから、赤と十字架と葡萄畑が連動しているんだとか・・・なるほど!
次に、安藤忠雄さんの「La Chapelle」についてです。この地「Château La Coste」の丘の頂上にもともと、小さな礼拝堂があったそうですが、それを安藤忠雄さんが再生したものなんだそうです。もともとは16世紀の礼拝堂で、安藤さんが初めて訪れたときにはほぼ廃墟の状態でしたが、うまく再生させました。
そして、なぜこの2つが隣り合わせなのか・・・
オトニエルさんの十字架がガラスでできているのに対して、安藤さんの礼拝堂はコンクリート、色も対照的ですし、光を取り込むものと反射するもの・・・様々な点で正反対の作品なのですが、並べてみると驚くほど調和すると言われています。
確かに、安藤さんの無駄のない礼拝堂にキラキラの赤の十字架があることによって、お互いの良さが際立っている気がしました。

礼拝堂の裏側からは広大な葡萄畑を見渡すこともでき、一言に礼拝堂とは言えないくらい素晴らしい作品でした。
Origami Benches(オリガミ・ベンチ)

礼拝堂を見た後は、坂を降りてくると安藤忠雄さんの「Origami Benches(オリガミ・ベンチ)」がありました。結構歩いたので休憩するのにもちょうどよかったです。
Origami Benches(オリガミ・ベンチ)は、タイトルから分かるように日本の折り紙から着想を得ているそうです。固い金属で出来ているのに、まるで折り紙で折り目を付けたような屋根は不思議な雰囲気でした。
これは、ベンチとしても大活躍でしたが、ここからRichard Serraの「AIX」を眺めるため、また葡萄畑を眺めるための場所で、それら全てを持って一つの作品になっているそうです。奥深すぎる・・・
Komorebi(こもれび)

折り紙ベンチで休憩して、坂を下った先には、これまた日本を代表する建築家・隈研吾さんの作品「Komorebi(こもれび)」がありました。
「Komorebi(こもれび)」は、隈研吾さんがChâteau La Costeのために設計したパビリオンです。この作品は、約12トンもの木材を使い、239本の梁が複雑に重なり、約1.5トンのステンレス鋼で支えているのですが、12トンもの木材が使われているとは思えないほど、全体がふわっと浮いているように見えるという特徴があります。また、タイトルにふさわしいように木漏れ日が出来ていて、涼むのにもちょうどよかったです。
「La Galerie」

今度は、葡萄畑に浮いているようなパビリオンを発見しました。
こちらは、Richard Rogers(リチャード・ロジャース)さんの「La Galerie」です。
吊り橋のような短い橋をわたって、中に入ると・・・

小さなお部屋になっていました。壁には数枚の絵画が飾られています。
一番奥まで行くと、小さなテラスがあって、まるで浮いているような気持ちになりました。このパビリオンは私の中で結構お気に入りです!
「Auditorium」

今度は、葡萄畑の中に大きなおしゃれな建物が出現しました。

こちらは、ブラジルの建築家「Oscar Niemeyer(オスカー・ニーマイヤー)さんの作品「Auditorium」です。彼の最後の作品なんだとか・・・ニーマイヤーさんはこのパビリオンの完成を見ることなく2012年に亡くなっているんだそうです。
入口には水面があしらわれ、全体の透明感が凄かったです。

私達が訪れた日は、特別展で様々な椅子が展示されていました。椅子も一つ一つおもしろい素材や形で見ていて面白かったです。
「Psicopompos」

さて、気になる作品を見終わったので戻ろうと歩いていたら、不思議な門に出くわしました。こちらは、ブラジルの現代美術家 Tunga(トゥンガ)さんの作品で「Psicopompos」です。
タイトルの 「Psicopompos」 は、古代ギリシャ語に由来し、「死者の魂をあの世へ導く者」=魂の案内人(psychopomp)を意味しているそうで、かなり神秘的で難解な作品なんだそうです。
解説を読んでみると、様々な見方があるのですが、大きく3つに分けて見るといいみたいです。
まず一つのポイントは、「磁石」です。なんと磁石の力によって、重い鉱物やガラスが吊り下げられ、バランスを保っているんだそうです。なので、「重い物体が、まるで重力を失ったように浮いている」という感覚になるんだとか。
そして、「磁石」は=「見えない力」の象徴として使っているそうです。
2つ目のポイントは「天秤」です。相反するものの「均衡」を考えさせる構造として天秤を作ったそうです。Tunga(トゥンガ)さんの中では、「重いものと軽いもの」、「引力と反発」、「物質と精神」、「生と死」を天秤に例えているんだとか。
3つ目のポイントは「門」です。
「こちら側」と「あちら側」の境界に立つ門という意味もあります。
これら3つのポイントを頭に入れてからこの作品を見ると、色々考えさせられますし、ずっとここで作品を見ていられそうですよね。

全部の作品は見れなかったものの、一通り気になる作品を見て回ったので・・・
ランチ

ランチへ行きました。日本の建築家・安藤忠雄さんが建築した建物で美味しい食事ができるレストラン「Restaurant de Tadao Ando」です。
ワインはここのワイナリーで作られたものが飲めて、2倍も3倍も楽しめるレストランでした。
詳しくは別記事でご紹介していますので、こちらから是非お読みくださいね。↓
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🇫🇷プロヴァンスにあるワイナリーレストラン「Restaurant de Tadao Ando」でランチしたよ! in Château La Coste
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アート作品散策後半戦のスタート!

ランチの後は、レストランの裏手側にある作品を見に行きました。
「Stack 2024」

午後の部、最初に出会った作品は女性作家Annie Morrisさんの「Stack 2024」です。カラフルなボールを積み上げた可愛らしい作品なんですが、悲しみの先に作った作品なんです。
崩れそうで崩れないバランスを希望と生命力として表現しているんだそうです。
「Pavillon de Musique 2008」

私の中でも楽しみにしていたパビリオンの一つ「Pavillon de Musique 2008」に到着しました。「Pavillon de Musique 2008」は、Frank O. Gehryさんの作品で、スペインのビルバオにある「Guggenheim Museum Bilbao」やアメリカ・ロサンゼルスにある「Walt Disney Concert Hall」を建築した超有名な建築家さんの作品です。
実際に、スペインのビルバオにある「Guggenheim Museum Bilbao」は見に行ったことがあるのですが、本当に美しく、衝撃的な外観と内装だったのを覚えています。
実際に訪れた時の記事もありますので、是非合わせてお読みくださいね。↓
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さて、作品の話に戻りますがPavillon de Musique 2008」は、木材とガラスを使って造られており、中で手を叩いたり、声を出してみると他のホールとは違った音の響き方がして面白い場所でした。
「Mater Earth」

次のパビリオンに向かって歩いていると、羊の大群に出くわしました!凄いね〜と息子と見ていたら、なんと中央に白い犬が混じっているではありませんか!これにびっくりしていたのもつかの間、よく見たら奥に・・・

巨大な人が寝ていました!(笑)
こちらは、Prune Nourryさんの「Mater Earth」という作品です。「Mater Earth」=「母なる大地」を表現しているそうで、大地から姿を現した巨大な妊婦さんになっています。私達は遠くから見ただけでしたが、なんと実際にお腹の中に入れるんだそうです!時間のある方は是非中に入って、おヘソから降り注ぐ光を浴びてきてくださいね!

いやぁ、衝撃的な作品が続いて中々進めませんね・・・(笑)
「Calix Meus Inebrians 2009」

次のパビリオンに向けて歩いていると、不思議な物体を見つけました。
これは、元ミュージシャンのGuggiさんの「Calix Meus Inebrians 2009」という作品です。
「聖杯」の形をしており、作品名を日本語訳すると「私の杯は私を酔わせる」という意味があります。宗教的な観点から聖杯とワイン(血)は象徴的ですし、ワイナリーにこれがあることにも大きな意味があります。
「Pavillon d’exposition, 2017」

やっと着きました。ランチの後、一番見たかったパビリオンです。
こちらは超有名建築家のRenzo Piano(レンゾ・ピアノ)さんの作品「Pavillon d’exposition, 2017」です。
まるで地面の中に「埋めた」作品で、建物を地中約6mまで掘り下げたんだそうです。なのに・・・

6メートル地下に入ったはずなのに、建物の中は明るく、外がよく見えます。この時は、特別展で作品が飾ってありましたが、中の作品は定期的に変わるようです。
また、展示室の両側にはワインセラーがあるんだそうです。さすが天才建築家の作る作品は仕掛けも凄いですね!
ちなみに、スイスだと「バイエラー財団」という美術館の建築も彼がしていますよ!
詳しくは別記事でご紹介していますので是非合わせてお読みくださいね。↓
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🇨🇭スイスで最も入館者の多い美術館「Fondation Beyeler(バイエラー財団)」
Basel (バーゼル)にある、「Fondation Beyeler(バイエラー財団)」という美術館に行ってきたので、ご紹介したいと思います。 この週末の旅行記もありますので、是非こちらからお読み下さ ...
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お土産屋さん

最後に、ワイナリーで作っているワインやグッズが買えるお店に立ち寄りました。
ここではロゼワインの試飲もできるのです。他にも、様々なグッズが売っていて、素敵なお土産屋さんでしたよ!
詳しくは、別記事でご紹介していますので、こちらからお読みくださいね。↓
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🇫🇷ワイナリー「Château La Coste」で美味しいロゼワインを買おう!
先日ご紹介したフランス・プロヴァンス地方にあるのワイナリー&アート施設 「Château La Coste」のワイナリーで試飲&購入してきました! 巨大な敷地にあるワイナリーではどんなワインやグッズが ...
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まとめ
「Château La Coste」は、本当に素晴らしいアート作品が一度に見れる特別な場所でした!どれも印象的で現代アートに興味がでてきましたよ!
また、レストラン&ワイナリーということもあって美味しいフレンチやワインも一緒に楽しめるのも最高でした。
アート好きな方も「まだよくわからないよ・・・」って方にも、是非行ってほしい場所です!私の中の現代アートを楽しめる場所としてはNO.1なので、是非是非是非!機会がありましたら訪れてみてくださいね。
「Château La Coste」の場所
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