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🇨🇭日本人夫婦のスイスで出産!てんやわんや物語①〜早朝の破水から入院&恐ろしく長い陣痛編〜

2023年10月11日

先日ご報告させて頂きましたように、私Karinはスイスのジュネーブにて元気な赤ちゃんを出産いたしました!

日本人夫婦の私達が、この地で出産を体験したことは言葉の壁などの面で大変でしたが、それ以上に素晴らしい経験ができましたので、お話したいと思い、記事にすることにしました。

まずは出産編、そのあとで妊娠中の検診の様子などお話していきたいと思っていますので、是非このシリーズをお楽しみ下さいね♪

今後、スイスで出産を迎える全てのママさんのお役に立てますようできるだけ詳しく書いていきますね!

入院編

早朝の破水

朝4時半頃、お手洗いに行くと、おしっこじゃない感覚がありました。「あれ・・・?破水?」と思ったのですが、すぐ止まったので、「勘違いかな?」と思い立ち上がったら、またチョロチョロ・・・

初めての感覚でしたが「あ、これ破水だ!」と確信しました。

お手洗いから叫び主人に来てもらいました。その声でお義母さんも起きてきます。(義母には、出産予定日の1ヶ月前から3週間後までスイスに来てもらっていました)

とにかく全員が寝ぼけ&突然のことで混乱していて、わたふた・・・義母は何故か歯を磨き始めました・・・(笑)

とりあえず、「破水したから、病院に行こう!」とお願いし、Uberを呼んでもらいました。

といいますのも、事前にHUG(ジュネーブの総合病院)の先生から、「破水したり、陣痛が来たら電話しないでそのまま病院のエマージェンシーに来てね」と言われていたからです。

早朝の時間帯にも関わらず数分後、無事Uberが到着し、HUGの救急マタニティーへ向かうことができました。

車に乗り込む際にも、水がどんどん出てくるので、バスタオルを巻きながらUberに乗り込みました。

車を汚したら申し訳ないですからね・・・!

朝5時半頃「HUG MATERNITE Emergency」に到着しました。

受付に向かうとこんな時間でも人がいて、破水したと伝えると笑顔で対応してくれました。この対応にちょっと感激!無下にされず安心しました。

暫くすると助産師さんが来てくれて、尿採取をするよう言われ、その後は検査部屋へ通されました。

検査部屋ではすぐに、モニターをつけ赤ちゃんの心音と陣痛の痛みチェッカーみたいな機械でレコードを取り始めます。そして、私の血圧と子宮口の開きをチェックしてもらいました。

「指1本分だから、まだまだだね」と言われ、そっかぁ・・・となんだか残念な気持ちに。だって早く赤ちゃんに会いたいじゃないですか!

ちなみにその間も、羊水が流れ続けていたため、病院で用意されたパンツと大きなナプキンみたいなのものに取り替えてもらえました。

その後、左手に何本か注射針をさされたのですが、産まれるまでさしっぱなしとのことでびっくり!腕にずっと何かが刺さってるのって嫌な感じですよね。てか、これは何の針なんだろう・・・?

一通りの処置をしてもらい、助産師さんから「もし、12時間後までに陣痛が来なかったら陣痛促進剤を打つね」と言われました。夕方16時か17時くらいになりそうです。

そのまま入院

30分後くらいにこれから赤ちゃんを産む人たちの部屋へ移動となりました。時刻は早朝の6時半です。

その際に、助産師さんが主人に「旦那さんは一度家に戻って、夜の出産に向けて休んできてね」と言っていました。

主人には出産時立ち会ってもらう予定だったので、私もそれがいいと思いました。陣痛が始まってから呼んでも、家からもそんなに遠くないため、遅くないんですよね。

主人が帰った後、破水した以外なんでもない私はお部屋をキョロキョロ見て周りました。私の部屋は2人部屋で、ベッドには、バナナクッションが置いてあり、

部屋の角にはバランスボールや付き添いの人が休憩するような場所が設置されていました。

そうこうしているうちに、眠気が襲ってきてうたた寝に・・・。

7時40分ころ朝食が運ばれてきました。そう言えば、主人が帰る前に、看護師さんから「朝、昼、晩はご飯が出るし、翌朝に関しては飲み物とか選べるよ!」と言われていたので、ちょっと楽しみにしていたのです♪

ところが運ばれてきたのは、真っ黒のコーヒーとホットミルク、パン2個と、バター2つ、ジャムのみでした。ヨーグルトとかフルーツがあるのかな?と思っていたからちょっとガッカリ・・・(写真のコーヒーにはミルクを追加しました)

そんなことを思いながら食べ始めたら、パンがめっちゃ美味しいしコーヒーも美味しいじゃないですか!てかカフェインOKなのかな・・・?デカフェなんでしょうかね?

8時20分頃、助産師さんが来て赤ちゃんの心音と陣痛チェックが再び始まりました。この機械が本当に凄くて、全て紙にレコードされていくのです!

ちなみに、赤ちゃんは元気でした!よかった♪

一通りのことが終わって11時まで仮眠しました。陣痛の気配は全くありません・・・というか、陣痛がどんな感じなのか想像もできなかったので、このときは、陣痛がきているのかきていないのかもわかりませんでした。

ちょうど起きた11時過ぎにランチが来ました。さっき朝食を食べたばかりだったので、このボリュームに驚きましたが、デザートのレモンタルトが美味しくて幸せな気分になりましたよ♪まさか入院食で美味しいデザートがでるなんて!

ルンルン気分でランチを食べていたら、隣の妊婦さんがかなり苦しそうにうなり始めました。これって陣痛だよね・・・?

本当にものすごく苦しそうだけど、全然麻酔を打ってもらえてないみたいで、自然分娩を希望している方なのかな・・・?と思いました。

私は無痛分娩を希望していたので他人事のように思っていたのですが、そういえばどのタイミングで麻酔を打つんだろう・・・?と不安になってきました。

13時頃、私の体温・血圧のチェック、そして再び赤ちゃんの心音を測りました。

なんとなくお腹が張ってきた感じがします。「いよいよ陣痛が始まるのか!?」なんて思っていたのですが14時を過ぎても何も起きず・・・陣痛促進剤を打つまであと2時間となりました。

このまま陣痛が自然に来ないのかな・・・とまた不安に・・・

そんなことを思っていたら、15時頃、主人が病院に来てくれました。主人の顔を見たら、なんか安心していろんな不安がなくなりました。

9時間コースの陣痛・・・え?私、無痛分娩希望なんですが・・・

16時頃になって、また私の血液検査と血圧・体温を測りました。そして、子宮口の確認ですが、朝と変わらず指が1本入る程度しか開いていないとのことで、ついに促進剤をいれることになりました。

そういえば、陣痛促進剤ってどんなのなんだろうと思っていたら、なんと膣から紙みたいなのを直接入れるタイプでした。

これがびっくりするほど痛くて、恥ずかしげもなく大泣きしてしまいました・・・そんなこんなでやっと入れた陣痛促進剤ですが、紐が付いていて、「もしあなたがお手洗いに行った時に、この紐ごと取れちゃったら自分で再度入れてね」と言われたのです。

こんな痛いの自分で絶対やりたくない!と思ってお手洗いには極力行かないように努力しました(泣)

そして、ついに17時から陣痛が始まったのです。

正直、陣痛ってどれくらい痛いかとか全然知らなかったし、想像もしていなかったのですが、これはなんと言ったらいいのか・・・

とにかく苦しい!痛い!つらい!苦しい!信じられない!終わってほしい!怖い!またきた!動けない!

と、本当に苦しいワードのオンパレードでして・・・

痛すぎて、苦しすぎてベッドでもがいていたら、助産師さんが「とにかく歩きなさい。そしてたまにバランスボールに乗ったりテラスに出て外の空気を吸ってみなさい」と言うのです。

もうそんな余裕は全くありませんでしたが、それらの行動をすると、もしかしたら陣痛が和らぐのかも!?とかすかな希望をもとに、歩いたり、バランスボールに乗ったりしてみました。が・・・

ぜんっぜん痛みは和らがないじゃないですか!数歩歩いて苦しもがく・・・を数分置きにやっていました。ああ・・・隣の方の苦しそうな声ってこれだったんだ、とそこで初めて理解しました。

その間、ずっと主人がそばで付き添ってくれて、一緒に歩いたりバランスボールを支えてくれたりしてくれました。

陣痛に苦しむこと1時間後、夕食が運ばれてきましたが、とてもじゃないけど食べられません。本当に一口も食べれませんでした。

ただただ苦しくて・・・なので、ご飯は主人に食べてもらいました。お魚だったそうです。

その間も私は陣痛に苦しみ、歩くことも困難に・・・

陣痛が始まってから、3時間が経過し、ふとあることを思いました。

「あれ?私って無痛分娩だよね?ちゃんと伝わってるのかな?」と・・・

確か、この病室に着いた時に確認もしたはずだけど、私の英語力が問題で伝わってなかったのかもしれない、と思い主人にもう一度伝えてもらいました。

すると、「あなたが無痛分娩を希望していることは分かっている。だけど、麻酔はまだ早い」と言われました。

えー!!!3時間も陣痛耐えたのに、まだ麻酔打ってもらえないの!?と、かなりショックを受け、5分間隔にくる陣痛に苦しんでいると、「お風呂入る?」と助産師さんから言われました。

「お風呂・・・!?」

なんと、準備されていたのは本当にお風呂でした!!

ここに気持ちのいい温度のぬるま湯が張られていて、「あなたは最低でも1時間、それ以上入ってて」と言われました。

え!?ここに1時間以上も入ってなきゃいけないの!?麻酔は!?とまたもや愕然・・・でも、言われるまま陣痛の痛みと落ち着きの合間を見ながら一歩一歩進み、お風呂に入りました。

そして、呼吸法を教わりその通りにしていたら、ただベッドで横になっているよりかはマシなような気もしてきました。辛いことには変わらないけど・・・

この間も、主人は付き添ってくれ、苦しみもがく私を応援してくれました。ありがたい(泣)この時は3分間隔の陣痛になっていました。

結局お風呂は20時半から2時間強も入っていました・・・

「ま・・麻酔まだ・・・?」

お風呂を上がる時、主人が「もしかしたら麻酔かも!」と言ってくれ、ここで気力を持ち直し希望と共に着替えをしてベッドへ戻りました。

着替えについては、3分置きに陣痛が来るので、陣痛が収まったら数歩歩く、陣痛が来たら停止、また陣痛が収まったら身体を拭く、陣痛が来たら停止、と一つ一つの行動に時間を掛けていました。

ちなみに、時刻は23時。陣痛が始まってから6時間が経過しています・・・

ベッドに戻ると助産師さんが来たので、「ついに麻酔か!」と思って期待したのですが、そんな話にはならずまたベッドの上でもがき苦しむことに・・・

途中から、もう陣痛に飽きてきた、という発言がでるほど陣痛が嫌になりました。

更にこの後どれくらい経ったのでしょうか?自分でも分からないのですが、暫くベッドで陣痛と戦っていたら、ついに助産師さんが車椅子を持って私のところに来てくれたのです!

「分娩室へ行こう!」と。麻酔がもうすぐだと思い本当に嬉しかったのですが、立った瞬間ものすごく気持ち悪くなり、3回ほど吐いてしまいました。

吐くほどきつい陣痛・・・やっと楽になれる!と希望と共に、車椅子で分娩室へ向かいます。

分娩室には、赤ちゃんのベッドや体重計が置いてあって、「いよいよ赤ちゃんに会える!」とじわっと感激しました。ここで小さな涙・・・と苦しい陣痛。

分娩室に着いたのは深夜1時くらいです。まだ麻酔は入っていません。

分娩室でも暫く陣痛と戦い、今度は麻酔科の先生を待ちました。もうすぐ、もうすぐ、と自分に言い聞かせ、とにかく陣痛と戦い続けました。

主人もそんな私を見ているのは辛かったと思います・・・そして遂に深夜2時!麻酔科の先生が到着!!

やっと背中から麻酔を打ってもらえました!この麻酔はかなり神経を使うらしく、打つ前に色々と注意点を説明されましたが、陣痛が辛かったので覚えているのは「猫のポーズ、海老のポース」だけです。とにかく背中を丸くしておけばいいんだということだけ頭に入れて、麻酔に挑みました。

麻酔が一番痛いと聞いていたので、ちょっとビクビクしていたのですが、「え?」ってくらい痛くなくて、(たぶん陣痛の痛さが上回ってた)拍子抜けしました。

そして、徐々に陣痛が和らぎ、深夜2時20分には正常に話ができる状態に戻りました。

17時から始まった陣痛・・・約9時間戦い、やっと終わりを告げることができたのです。

でも、本番はここからです!

まとめ

入院したのが早朝5時半、陣痛促進剤が当日の16時、陣痛が17時〜深夜2時、麻酔が2時がおおまかな流れでした。

無痛分娩って陣痛をこんなに経験するものなんでしょうか・・・私の子宮口が開いていないから仕方なかったのかもしれませんが、それにしても本当に辛かったです。

ただ、HUGの施設は本当に素晴らしく、どこも清潔だし、たくさんの助産師さんが常にいるので何かあってもすぐ来てくれるのはよかったです。

また、ずっと主人が付き添ってくれていたので、この恐ろしく長い陣痛になんとか耐えられました。これを1人で耐えれたか?というと、到底無理でした。ずっとそばで励ましてくれて「絶対いつか終わるから、頑張って!」と言ってくれ、頑張れました。

壮絶な陣痛タイム・・・さて、次回は出産編です。是非続きもお読み下さいね!

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