日本では赤ちゃんを産んだあと、定期的に様々なワクチンの予防接種がありますよね?
スイスではどうでしょうか?
実は、スイスで赤ちゃんを産むまで、スイスでの予防接種は必要最低限でほとんどは日本で打たなければならないと思っていました。
ところが・・・!実際にジュネーブの小児科に通い初めてみると、生後2ヶ月から65歳までのワクチン摂取一覧表を渡され、様々なワクチンを打つ機会があることがわかったのです。
そこで、今日はスイスではどんなワクチンをどのタイミングで打つのか?お話したいと思います。
ちなみに、赤ちゃんがワクチンを打つ権利はパーミットを持っていることが条件です。
以前、日本人でスイス在住者ではない有名なブロガーの方の奥様(外国人)が、スイスのある地域で出産をした際、担当医に「ワクチンはあなたの自由です。」と言われ、「スイスではワクチン摂取が推奨されておらず、自分で選んで全て実費でワクチンを打たせないといけない」と勘違いし、その誤った情報をSNSで流していたのです。
この方は滞在許可証を持っておらず一時入国で出産をしているので、その後の赤ちゃんのフォローアップが自己責任になるのは当然だと思います。
その方のスイスのワクチン事情に関するリールを見た時に、「スイスが勘違いされるのは嫌だな」と思い、今日の記事を書くきっかけとなりました。
もう一度お話しますが、スイスでは生後2ヶ月からワクチン接種は始まり、様々なプログラムが組まれています。もちろん保険でカバーされます。
ということで、スイスのワクチン事情をお話してきますね!
※日本ではワクチンに関して、義務ではなく「努力義務」と呼ばれているそうですね。スイスでは「基本予防接種」と呼んででいます。
生後18ヶ月までのスイスのワクチン

生後2ヶ月・・・ 6種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタ
①Vaccin hexavalent (DTPa-Hib-VHB-VPI)・・・ 6種混合ワクチン
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
・Poliomyélite (VPI)(ポリオ、不活化)
・Haemophilus influenzae de type b (Hib)(インフルエンザ菌b型)
・Hépatite B (VHB)(B型肝炎)
②Pneumococcique (PCV13)(肺炎球菌ワクチン)
③Rotavirus(ロタウイルスワクチン)
生後3ヶ月・・・【補足接種】髄膜炎菌B型
【補足接種】
④Méningocoque B(髄膜炎菌B型)
こちらは【基本予防接種】ではないので、希望者のみとなります。
生後4ヶ月・・・6種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタ
①Vaccin hexavalent (DTPa-Hib-VHB-VPI)・・・ 6種混合ワクチン
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
・Poliomyélite (VPI)(ポリオ、不活化)
・Haemophilus influenzae de type b (Hib)(インフルエンザ菌b型)
・Hépatite B (VHB)(B型肝炎)
②Pneumococcique (PCV13)(肺炎球菌ワクチン)
③Rotavirus(ロタウイルスワクチン)
生後5ヶ月・・・【補足接種】髄膜炎菌B型
【補足接種】
④Méningocoque B(髄膜炎菌B型)
こちらは【基本予防接種】ではないので、希望者のみとなります。
生後9ヶ月・・・はしか、おたふくかぜ、風疹、みずぼうそう
⑤Vaccin ROR(Rougeole-Oreillons-Rubéole)
・Rougeole(麻疹・はしか)
・Oreillons(ムンプス・おたふくかぜ)
・Rubéole(風疹)
⑥Varicelle(みずぼうそう)
生後12ヶ月・・・6種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチン、はしか、おたふくかぜ、風疹、みずぼうそう
①Vaccin hexavalent (DTPa-Hib-VHB-VPI)・・・ 6種混合ワクチン
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
・Poliomyélite (VPI)(ポリオ、不活化)
・Haemophilus influenzae de type b (Hib)(インフルエンザ菌b型)
・Hépatite B (VHB)(B型肝炎)
②Pneumococcique (PCV13)(肺炎球菌ワクチン)
⑤Vaccin ROR(Rougeole-Oreillons-Rubéole)
・Rougeole(麻疹・はしか)
・Oreillons(ムンプス・おたふくかぜ)
・Rubéole(風疹)
⑥Varicelle(みずぼうそう)
12〜18ヶ月・・・【補足接種】髄膜炎菌B型、髄膜炎菌ACWY型
【補足接種】
④Méningocoque B(髄膜炎菌B型)
⑦Méningocoque ACWY(髄膜炎菌ACWY型)
こちらは【基本予防接種】ではないので、希望者のみとなります。
まとめ
生後18ヶ月までで、6種混合ワクチン(ジフテリー、破傷風、百日咳、ポリオ、インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌ワクチン、ロタ、髄膜炎菌B型、髄膜炎菌ACWY型、はしか、おたふくかぜ、風疹、みずぼうそうと14種類の病気に対するワクチンを打つことになります。
髄膜炎菌B型、髄膜炎菌ACWY型に関しては推奨なので、希望しない場合は打ちません。
日本のワクチンと比べても引けを取らないくらいではないでしょうか?
さて、18ヶ月のワクチンが終わると暫くはワクチン接種はありません。今度は4歳以降になってきます。
4歳以降のスイスのワクチン
4〜7歳・・・ジフテリー、破傷風、百日咳、ポリオ
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
・Poliomyélite (VPI)(ポリオ、不活化)
11〜15歳・・・B型肝炎、ジフテリー、破傷風、百日咳
【基本予防接種】
・Hépatite B (VHB)(B型肝炎)
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
【補足接種】
・Méningocoque B(髄膜炎菌B型)
・Méningocoque ACWY(髄膜炎菌ACWY型)
11〜26歳・・・HPV(ヒトパピローマウイルス)
・HPV(ヒトパピローマウイルス)
11歳〜19歳の子供には【基本予防接種】となり、20歳〜26歳の成人には【補足接種】となる
25歳・・・ジフテリー、破傷風、百日咳
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
・Pertussis(百日咳)
45歳・・・ジフテリー、破傷風
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
65歳から
【基本予防接種】
・Diphtérie(ジフテリー)
・Tétanos(破傷風)
この2種類は、10年置きに打つことを推奨
【補足接種】
・Pneumocoques(肺炎球菌ワクチン)
・Herpes zoster(帯状疱疹)
・Influenza(インフルエンザ)←毎年推奨
4歳以降のまとめ
4歳以降も、18ヶ月までに打ったワクチンとそんなに変わりませんが、HPV(ヒトパピローマウイルス)が追加となります。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは、性的接触を通じて起こり得る病気や子宮頸がん、肛門がん、喉頭がん、陰茎がん等の予防となるワクチンだそうです。日本では、推奨ということで努力義務のワクチンに該当するそうです。
65歳以降もジフテリーと破傷風ワクチンは基本予防接種ということで、定期的に打つことになるので安心感がありますよね。
日本でも13歳までに2回ほど努力義務ということで推奨されていますが、その後は自分から動かないといけないのですが、スイスではワクチンカレンダーで事前に頭に入れておくことができるので、忘れなくていいなと思いました。
まとめ

ということで、スイスでのワクチン事情はこんな感じでした。
スイスでは、BCG(結核)がないので気になるようなら日本で打ってもいいかもしれませんね。スイスではハイリスク児のみ打つそうです。
髄膜炎菌に関しては日本では任意なのに対してスイスでは基礎ワクチンに含まれていました。
相対的にほとんど種類は変わらないことが分かりましたね。
これから幼いお子さんを連れてスイスへ移住する方やスイスで出産する方は子供のワクチンが心配かと思いますが、以上のようにきちんと制度が整っていますので、ご安心くださいね!
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