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🇨🇭ノーベル文学作家の心休まる優しい邸宅「Museo Hermann Hesse Montagnola(ヘルマン・ヘッセ邸)」

2021年6月29日

今日は、ドイツ生まれの作家で、ノーベル文学賞を受賞したHermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)の邸宅に行ってきたので、ご紹介したいと思います♪

ちなみに、この日の1日の流れはこちらから読めます♪↓

🇨🇭スイスにあるイタリア語圏「ティチーノ州」へ週末旅行1日目〜鉄道博物館、アウトレット、ヘルマンヘッセの邸宅、Museum of Cultures、ルガーノ美術館、世界遺産の要塞〜

みなさんは、Hermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)をご存知ですか?日本では中学校の教科書に「少年の日の思い出」という作品で載っているくらい有名な作品を書いた方です。

そんな、Hermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)はドイツ生まれですが、国籍はドイツとスイスの2つ保有していて、スイスのMontagnola(モンタニョーラ)という街に住んでいたために、そのまま邸宅が残されています。

さて、Montagnola(モンタニョーラ)という街はどんな街でしょうか?

Lugano(ルガーノ)駅からバスで邸宅に向かう途中にHermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)の記念公園がありました。お手入れが行き届いていて素敵な場所です。

「Hermann Hesse Grave(ヘルマン・ヘッセの記念公園)」の場所はこちら↓

記念公園を通り過ぎて約10分ほどでHermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)の邸宅近くのバス停に到着しました。

バス停の周りは、こんな感じの住宅街なんですが、とても静かで統一感のある家が並んでいました。

「Museo Hermann Hesse Montagnola(ヘルマン・ヘッセ邸)」

バス停から歩くこと約2分ほどでHermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)の邸宅に到着です。小さいながらも、丸い扉が可愛い素敵な邸宅でした。ここには1919年〜1931年まで過ごしたそうです。

入場料は大人8.5フラン(約1,040円)、学生とシニアは7フラン(約850円)です。「Swiss Museum Pass」があれば無料で入れます。

「Swiss Museum Pass」について詳しく書いていますので、是非こちらからお読み下さいね♪↓

🇨🇭スイスでお得に生活する〜乗り物編(GA Travelcard 、Half Fare Travelcard、Swiss Museum Pass、Saver Day Pass、CFF day pass)

また、営業時間は3月〜10月は毎日10時半〜17時半、11月〜2月は土日のみで10時半〜17時半となっています。

チケット手続きをしていたら、国籍を聞かれたのですが、「日本人です」と答えたら、日本語の解説が載った本を借してくれました!ただ、邸宅内の説明ではなく、Hermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)の年表についてのみの説明になります。年表は受付の裏の細い廊下にあります。

こちらは、年表にと一緒に飾ってある、3度目の奥さんのニノンとの2ショットです。3度目って・・・

ただ、ニノンと結婚したのには納得のストーリーがありました。

ヘッセは反戦の考えを持っていて、多くのエッセイや新聞記事に反戦表明した内容を掲載し続けていました。そもそも平和主義者だったわけですが、そんな中、ヒトラー率いるナチスドイツがどんどん力をつけており、またユダヤ人の迫害の事実も知って、自分には何かできないかという思いから、たくさんのユダヤ人の亡命や移民への援助を惜しむことなくしていたそうです。金銭的な部分や家の提供の他、通行証や滞在許可、就業許可などの獲得にも尽力をつくしたのだとか。そのことが関係しているのかは、わかりませんが3番目の奥様のニノンはユダヤ人です。ヘッセとニノンの2人は多大な援助を惜しまなくしました。

年表を見て彼の人生が大まかに理解することができるわけですが、今までご紹介してきた芸術家と同じように、ドイツのヒトラー政権下で「好ましくない作品」に分類され、出版禁止になった過去があります。しかし、1946年にフランクフルト市からゲーテ賞を受賞し、ノーベル文学賞も受賞しています。

ドイツのヒトラー政権下で「好ましくない作品」に分類されたり迫害を受け、壮絶な人生を送った芸術家や有名人についての記事はこちら↓

🇨🇭Zentrum Paul Klee(パウル・クレー・センター)

🇨🇭Bernisches Historisches Museum / Einstein Museum(ベルン歴史博物館/アインシュタインミュージアム)

🇨🇭独特の世界観「Kirchner Museum Davos(キルヒナー美術館)」

こちらの部屋は、ヘッセが実際に使っていた部屋で当時の机やたくさんの書籍が展示してありました。

また、ヘッセは文学家でありながら風景や蝶々などの水彩画も描いていました。

たくさんの、柔らかいタッチの風景画が展示されていて、心が癒やされますね。

こちらは、1921年に描かれた作品です。

ヘッセの部屋に、大きなタペストリーが飾ってあったのですが、これには意味がありました。

当時の雑誌記事でこのように述べています。

「このタペストリーは詩であり、描かれている模様はアーティスト仲間、友人、兄弟のように感じています。なぜなら、喜びを表現していたり、欲望、好奇心、奇想天外な行動をしていて、魂が生まれているように感じるからです」

なるほど・・・私は今までタペストリーを見て、そんな風に思ったことがなかったのですが、言われてみれば、タペストリーの中にいる人達はそれぞれの感情を表現していますし、それぞれのストーリーが見えてきますね。

さて、2階へ上がってきました。

ここでは、ヘッセが旅行した場所について説明していました。北イタリア、トスカーナ、セイロン、インドネシアなどなどです。特にイタリアはお気に入りだったようで、何回も行っていたみたいですね!

それから3階のお部屋です。ここでは特別展として、Hermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)、Friedrich Dürrenmatt(フリードリヒ・デュレンマット)、Rainer Maria Rilke(ライナー・マリア・リルケ)の3人の文学家とワインについての関係性についての展示がされていました。この3人が仲良しだったというわけではなく、異なる場所で産まれた3人の生涯とワインという共通点から、この特別展ができたそうです。

視点が凄い・・・

Friedrich Dürrenmatt(フリードリヒ・デュレンマット)は、スイス人で劇作家、推理作家、エッセイスト、画家として活躍しました。Neuchâtel (ヌーシャテル)で最期を過ごしたことから、Neuchâtel (ヌーシャテル)にデュレンマットセンターがありますし、Rainer Maria Rilke(ライナー・マリア・リルケ)はオーストリア人の小説家・詩人でスイスのSierre(シエール)で最期を過ごしたことから、Sierre(シエール)に彼の財団があります。

この3つの財団や施設が協力して、この特別展が作られたようです。確かに、Neuchâtel (ヌーシャテル)、Sierre(シエール)はどちらもスイスのワイン産地として有名な場所なので、ワインという共通点で結んだのは納得です!

それぞれの葡萄やワインについての記事も書いていますので、是非こちらからお読み下さいね♪↓

🇨🇭ヴァレー州のワインの歴史が分かる「Musée du Vin - Sierre (Valais)(ワインミュージアム・シエール)」

🇨🇭ヴァレー州のワインの歴史が分かる「Musée du Vin - Salgesch(ワインミュージアム・ザルゲッシュ)」

※Neuchâtel (ヌーシャテル)のワイン博物館の記事は後日アップ予定です!

展示室には、歴史を感じるワインボトルがありました。

左、Chateau VILLEMAURINE(シャトー・ヴィルモリーヌ)1875年です。このワインはデュレンマットが亡くなった1ヶ月後の1991年1月12日に飲まれたそうです。

中央が、Chateau Montrose(シャトー・モンローズ)1953年です。ラベルには、デュレンマットのサインと「ママ、バーバラのためにたくさん取っておいたよ!パパ、喜んで!まだたくさんあるよ!」と書いてあります。

右、Chateau Peyrou(シャトー・ペイロー)1961年です。ラベルには、「セラーからの最後の61年のワイン。ワイナリーのハッジ(たぶん生産者の名前?)は喜んでこれを売ってくれた!」と書いてありました。

こんな風にボトルにメッセージやメモを書いて残しておいたことにも驚きですが、とてもワインが好きだったのも伝わってきました。(スイス人だけど、全部フランスワインでしたが・・・(笑))

3階の特別展も見たら、地下へ来ました。地下でヘッセについての短い動画を見ることができます。この大きなタペストリーの左に小さな映画館がありました。言語は英語、イタリア語、ドイツ語です。

また、右の扉を出ると・・・

小さいながらも素敵なお庭がありました。よくみると亀さんもいるんですが、分かりますか??(笑)

奥に、小さなテーブルと椅子があって素敵だったので、ちょっとここで休憩しました。家の奥にある、小さなお庭って秘密のお部屋みたいで素敵ですね♪もし、お家を作ることがあったら、こういうスペース欲しいなぁ。

お庭で休憩したら、階段を登って戻ったのですが、壁に日本語があったので、思わず足を止めました。これは、ヘッセの作品を日本語訳した本の表紙ですね。

ヘッセがここで穏やかに過ごしていた様子が目に浮かぶようでしたし、彼自身も優しくて穏やかな人だったんだなというのも伝わってくる邸宅でした。

ノーベル文学賞のHermann Karl Hesse(ヘルマン・ヘッセ)について知れて良かったです。以上、ノーベル文学作家の心休まる優しい邸宅「Museo Hermann Hesse Montagnola(ヘルマン・ヘッセ邸)」でした。

Museo Hermann Hesse Montagnola(ヘルマン・ヘッセの邸宅)の場所はこちら

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