今日ご紹介するのは、福島県いわき市にある知る人ぞ知るフレンチレストランです。
福島県といえば、桃などのフルーツのイメージが強いと思うのですが、太平洋にも面していることから、海の幸も非常に新鮮で美味しく、豊富な食材が手に入る地域なのです。
今回は、そんな食材の宝庫である福島県で取れた食材のみを使ってフレンチを提供しているお店があると聞いて、また妹と母が「ここは本当に凄いから絶対に行くべき!」と誘ってくれたので行ってきました♪
では、レストランのご紹介をしていきます♪
フレンチレストラン萩は、福島県いわき市駅から車で約10分のところにあります。
福島県いわき市生まれの萩春朋シェフが1人で全てを作って提供しているフレンチレストランです。
辻料理学校フランス校を卒業後、フランスで料理を学び、パリのマンダリン・オリエンタル・ホテルにてHAGIフェアーを行ったり、フランス共和国大統領府官邸・エリゼ宮の厨房に日本人として初めて入り、福島の食材を用いオランド大統領に食事を提供したり、モナコ公国宮殿や第8回太平洋島サミットで料理を提供するなど、素晴らしい経歴をお持ちのシェフです。
実は、こちらのレストランは約2年前から行ってみたかったのですが、席数が大変少ないことからなかなか予約がとれず、今回ついに念願叶ってお伺いできた!ということなのです。
HAGIは時間厳守のレストランでして、シェフが1人で料理をするために、全てのテーブルに予約のお客様が揃ってからじゃないとコースが始まりません。なので、遅刻は絶対厳禁です。また、輝かしい経歴をお持ちなので、「怖いシェフなのかな・・・失礼のないようにしないと・・・」となんとなく思っていました。
シェフにも他のお客さんにも迷惑をおかけしないように、当日は何度もお店に向かうシュミレーションをしたり、主人には電車を1本早めてもらったりして、当日を迎えました・・・
さて、どんなレストランなのでしょう・・・
現在、いわき市は蔓延防止地域のため、20時までのお料理の提供ということで、17時半スタートの予約でした。なので、外がまだ明るいです。さて、目立つ看板を発見しましたよ!
駐車場に車を止めて、お店に入ります。予約は17時半〜でしたが、17時からお店に入れるとのことで、ちょっと前についた別のお客さんは車の中で待機していました。
お店に向かって進んでいくと、色んな発見があります。外には大量の薪が・・・!暖炉でもあるのかな・・・?
外に生えている木には、さくらんぼのようなラズベリーのような不思議な木の実がなっていました。
前に人がいて撮影できなかったのですが、扉にはステンドグラスがはめ込まれており、アンティークおしゃれな雰囲気でした。
玄関には、食べログアワード2021のブロンズ賞を受賞した盾が飾ってあったのですが、食べログアワードとは「一定数以上訪問実績のある方の票を有効票として、その得票数で各賞の受賞店を決定」している仕組みだそうで、つまりは美食家が認めたお店ということなのです!
お店に入ると、暖かみを感じる内装となっており、正面はオープンキッチンでした。この日はカウンターに1名、テーブル席に2名と、私達4名の3組の予約でした。
そして、気になる炎・・・これは・・・!?
あの炎を見た母が「ジブリのハウルの動く城の炎みたいね」と・・!確かに!!!カルシファーが出てきそう!!
席につくと、このようなテーブルセッティングがされていました。こちらのリーフレットには、福島の食材についての説明などが書いてありましたので、これからお料理の写真と共に説明していこうと思います。
さて、乾杯ですが、只今福島県は蔓延防止策地域となっており、20時までアルコールは出せるのですが、お店側の自粛でアルコールの提供はありませんでした。その代わり、ノンアルコールのスパークリングで乾杯しました♪
では1品目です!これは・・・とうもろこし!?福島県産のとうもろこしだそうなんですが、最初はスプーンでどうやって食べるんだろう!?とテーブル内で議論になりました。ところが、よ〜く見てみると、とうもろこしの形をしたムースだったのです!!
なので、とうもろこしの芯はなく、全部スプーンですくって食べることができました!
とうもろこしの形のムースということに気がついた時には本当に驚きました!!シェフにどうやって作っているのか聞いたら、わざわざとうもろこしを使ってシリコン型を自作で作り、この作品を生み出したのだとか・・・1品目から衝撃でした!そして、もちろんお味も美味しい!!
とうもろこしで衝撃を受けていたら、2品目の準備が始まりました。全員のフォークの横に何故か手袋が・・・何に使うのだろう・・・?
そういえば、シェフの姿もしばらく見ていない・・・と思っていたら、キッチンとは反対方向からシェフがやってきまして・・・
炒りたての栗を持って現れました!!!なんとなんと、シェフ自ら栗を炒っていたとのこと!!そして、その炒りたての栗を各テーブルに持ってきてくれてその香ばしい香りを嗅がせてくれました!
その栗が2品目の「福島県産栗」として登場です!
先程の手袋は、熱々の栗を剥くためのものだったのです。びっくりびっくり!!!ほくほく熱々で大きな栗は甘くてとても美味しかったです。
衝撃の料理がまたも続いて、もう次が楽しみでなりません!!
さて、栗を食べ終わるとテーブルに大きなカツオの柵が運ばれてきました。この後のお料理でこちらのカツオを調理しますよ〜とのこと!新鮮でキレイなカツオを見てびっくり!!どんなお料理になるのでしょうね!
そうこうしていたら、シェフがハウルの動く城のカルシファーが居そうな暖炉でカツオをファイヤーし始めました!ひぇ〜!!!びっくり!!
しかも、「良かったら是非近くに見に来て下さい」とお声かけくださり、なんと薪が燃えているところまで入れてくれました!
まさか、こんなに近くで見せて貰えるなんて思ってなかったので嬉しかったです!
ということで、カツオがこんがり焼き上がりました!おいしそ〜♪
カツオを焼いている姿をこちらから見ることも出来ますよ♪↓
3品目でカツオが来るのかと思いきや、まさかのウニでした!「ウニ、福島県産じゅんさい、福島県産川俣軍鶏」です。
川俣軍鶏(しゃも)は、福島県伊達郡川俣町で特産品として生産されている鶏肉で首都圏では高級食材として有名な鳥です。
そのしゃもを使って出汁をとり、半分になるまで煮詰めた出汁をゼリー状にして、ウニとじゅんさいを乗せた逸品で、それはそれは驚くほど美味しかったです・・・また、じゅんさいも透明の膜がとても厚く、食感がぷりっとぷちっとしていて、口の中が楽しかったです。
拘りが凄い・・・
ウニを食べて、美味しくてみんなで唸っていたら、お箸が添えられました。こちらのお箸も特注品だそうで、驚きです!!
間伐材を使ったお箸なのですね。ちゃんと、環境にも配慮した無駄のないものから作られていて、しかもまたもや福島県産で地元への強い愛を感じました。
それで、このお箸で何を食べるのかな〜と思っていたら・・・
4品目です。「福島県産毛蟹」です、上にはフランス産のキャビア(さすがに福島ではキャビアは採れませんね笑)、あと品種を忘れてしまいましたが、葡萄が添えられていました。
お分かり頂けるでしょうか・・・この美しい毛蟹・・・!これを先程のお箸を使って食べるようです。
とにかく最高です!!蟹・・・美味しすぎます!
5品目が来る前に、今度は調理前の伊勢海老とアスパラ、ミニピーマンが運ばれてきました。今からこちらを調理するんだそうです!調理前の新鮮な食材を見せてもらえて、どんな料理になるのかな?と想像しながら待つことができるので、とても楽しかったです♪
そして、すっかり忘れていた先程ファイヤーしたカツオが来ました。
5品目は「薪焼 福島県産カツオ」です。このカツオ、一口食べてびっくり!!!
なんと、適度な温度に冷やしてあって、お刺身的なカツオになっていたのです!だからすぐに提供されなかったのです。そしてまたこれが美味しいのなんのって・・・薪で焼くだけでこんなに美味しくなるなんて!もちろんシェフの腕と素材の良さもありますが・・・臭みも全くなく、肉厚でとても美味しかったです。
6品目は「薪焼 福島県産伊勢海老」です。そうです。こちらも知らない間に薪でファイヤーされていたのです!下のソースは魚を食べた鶏が産んだ卵を使ったソースらしく、頭がこんがらがったのですが、とにかく濃厚で伊勢海老との相性がよく、ソースまで残すことなく食べちゃいました!
そこで、この卵について詳しく聞いてみると、「相馬ミルキーエッグ」という卵で、鶏の餌は鶏が産んだ卵を地元の料理屋などに持っていき、鮮度が落ちて捨てるだけの魚などと、物物交換してそれを食べさせて育てた鶏が産んだ卵なんだそうです。更に、この卵についてのストーリーを知れば知るほど生産者の方の想いが素晴らしくて食材にも衝撃を受けました。
もしよろしければ、「相馬ミルキーエッグ」についてのストーリーが読めるリンクを貼って置きますので、是非読んで見て下さい!現代社会について深く考えさせられます・・・↓
「相馬ミルキーエッグ」東北食べる通信|福島県相馬市・菊地将兵さんの物語(1/3)
そんな伊勢海老と卵のソースに感激していたら、また感激する料理が・・・!
7品目は「福島県産川俣シャモのスープと松茸、手羽先」です。
先程ご説明した川俣シャモですが、実は昔から食べていたものは身が固くてあまり好きじゃなかったんですよ・・・そんな硬いシャモをイメージしながら手羽先を食べたんですが・・・・柔らかいじゃありませんか!これシャモ???こんなに美味しいシャモは初めてです!そして、松茸も福島の山で取れたものらしく、香り高くとにかくスープの1滴まで美味しく頂けました!
そして、ここでバターが登場!もちろんバターもシェフの手作りで朝搾りたてのジャージー牛のミルクを使ったバターなんだそうです。
「福島県産小麦」を使った焼き立てパンがきました。外はカリッと中はふわっともちっとしたフランスパンは本当においしくて、料理のお供ではなく、1品として美味しく頂きました。
そんなこんなで「パンおいしいね〜」なんて言いながら食べていたら、いつの間にか薪で焼かれた真鯛が運ばれてきました。見るからに美味しそうです!!
そして、9品目の「福島県産真鯛、福島県産枝豆」がきました。薪で焼かれた真鯛は、驚きの食感で蟹を食べているような感覚になりました。本当に美味しすぎるのですが・・・!
次は、お肉料理の前の10品目として、「薪焼 福島県産羊、いちじく」がきました。
福島県鮫川村の羊をまるごと1頭使った自家製の腸詰ソーセージだそうで、ジューシーでした。
また隣のいちじくは輝く宝石のように真っ赤で、母が「珍しい色ね」と一言呟いたらサーブしてくださった方がこのイチジクについて説明してくれました。
なんだか、サーバーのお姉さん曰く「このイチジクは突然変異して生まれた品種で、他のものと違って真っ赤な色と甘さが特徴なんです。柔らかいので皮までそのまま食べられますよ」とのこと。ふむふむと聞きながら食べてみたら、全くその通りで、まるでジャムを食べているように甘くて柔らかくて、皮を全く感じませんでした。こんなイチジクを食べたのは初めてだったので、またもや衝撃・・・
私はいったい何回衝撃を受ければいいのでしょうか・・・(笑)
そうこうしていたら、「今度はお肉を焼きますよ〜!」とシェフがお声掛けくださりました。
とっても美味しそうなお肉ですが、どんなお料理になるんでしょう♪
焼き上がったお肉が切り分けられる前に、各テーブルを回って香りを嗅がせてくれます。薪で焼くと本当に香ばしくなるのですね♪
そして、11品目の「薪焼 福島県産経産牛」のステーキがきました!!
もう、絶妙な焼き加減に期待が膨らみます!一口食べて・・・・
!!!!!!!!!!!!!!!
全員「!!!!!!!!!!!!!!!!」
でした!これだから和牛はやめられませんよね。
また、それが経産牛ということにも驚きなのです。
私はこの日まで知らなかったのですが、シェフが丁寧に教えてくれました。経産牛とは赤ちゃんを産んだことがある牛のことで、ブランド和牛の産みの親でもあります。牛は出産することに、栄養が取られて肉質が落ちると一般的には言われていますが、実は経産牛はいい牛を産むためにどの牛よりも栄養管理がされていて、いい餌しか食べていないそうなのです。なので知る人ぞ知る高級食材なんだとか!
知らなかった〜知らなかった〜知らないこといっぱい・・・!
そんなこんなで、遂にデザートまで来てしましました。
と、またもや仰々しい機材を担いで、各テーブルを回ってくるではありませんか・・・
そうです、先程シェフが炒った栗を使ったモンブランがデザートなのです!!!
新鮮な栗を目の前で、ペーストにして、中にはアイスクリームが入ったモンブランが出来上がりました!
12品目「福島県産アローカナ、福島県産栗」のモンブランです。
アローカナは幸せの青い卵を産む鶏です。その幸せな卵を使ったアイスクリームがこれまた濃厚で美味しいのなんのって・・・そして作りたてのモンブランは、今まで食べたモンブランの中で一番美味しかったです。栗のみで作られているから、しっかりしたペーストになっていて、でも口に入れると溶ろけて・・・
こんなに幸せでいいんでしょうか・・・?
最後に珈琲かハーブティーから選べるとのことだったので、珈琲を頂きました。お砂糖が全部にこちゃんで可愛いです♪
コーヒーはブルーマウンテンno1でした。どこまでもこだわりを感じます。
そして、小菓子は自家製カヌレと自家製ルバーブのジャムと薪焼トーストでした。
薪で焼いたトーストはサクッとして軽く、甘酸っぱいルバーブジャムとの相性が抜群でした。カヌレも、銅型で焼いたこだわりのカヌレで、外はカリッと中はもちっとしていてとても美味しかったです。
はぁ・・・・なんて素晴らしいお料理だったのでしょう・・・
最後に、メニューが渡されました。最初ではなく最後というのもなんだか粋ですよね!これを見ながら次の日は「あの料理はああだったね、こうだったね」と思い出して、楽しむこともできちゃうわけで・・・!
そうそう!冒頭でシェフが怖そうだなって思ったということについてですが、その全く逆でめちゃくちゃフレンドリーで笑顔が素敵で、地域のことを深く考えている素晴らしい方でした!!!素材に対するこだわりやストーリーがどれも感嘆のため息ものばかりで、尊敬の一言に尽きました・・・
そして何よりも「お料理が大好き!!!」っていう溢れんばかりのオーラがこちらにまで伝わってきて、本当に楽しかったです。
こんなシェフいるんだなって、萩シェフに会えて本当に良かったなって思いました。
アシスタントの方はいても、調理は1人で行っているので毎日数組しか入ることのできないレストランのため、本当は、本当は、誰にも教えたくなかったけど、この素晴らしい体験とシェフのお人柄を1人でも多くの方に知って頂きたくてブログにしました。
あんまり有名になると、私も私の家族も行きにくくなっちゃうので複雑な想いではありますが、もしこの記事を見かけた方は、是非一度福島県いわき市にある「HAGI」まで足を運んで見てくださいね♪
最後になりますが、コースは1人16,000円(税・サ別)でした。
以上、「福島県いわき市にある驚愕・感動・尊敬のフレンチ「HAGI」」でした。
「Hagiフランス料理店」の場所はこちら↓
最後までお読み頂きありがとうございました。萩シェフの作るお料理を食べてみたい!と思っていただいた方は、是非「ぽち」っとお願いします♪
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