京都にはたくさんのお寺や神社がありますが、京都に行く際にどこに行こうか悩みませんか?
王道でいえば、金閣寺、清水寺、二条城、伏見稲荷神社、東寺、三十三間堂、八坂神社、天龍寺・・・とにかくあげていったらきりがないのですが、今日ご紹介するのは、「毘沙門堂(びしゃもんどう)」です。
京都好きな方でも、「毘沙門堂(びしゃもんどう)」に行ったことある方は少ないのではないでしょうか?と言いますのも、「毘沙門堂」は京都駅からではなく、お隣の山科駅から徒歩20分という、ちょっと行きにくい場所にあるのです。
このような長い階段を登って本堂まで向かいます。秋はこの階段の木々が紅葉するのでとても美しいですよ♪
「手水舎」があったので、参拝前に手を清めておきました。
しかし、このひよこ達は一体なんだろう・・・(笑)
改めて、本堂へ向かいます。
毘沙門堂は、大宝三年(703年)に創建された、天台宗五箇室門跡(住職が皇室或いは摂関家によって受け継がれてきたお寺のこと)のひとつで、ご本尊に京の七福神のひとつ毘沙門天を祀っています。商売繁盛・家内安全にご利益があるそうです。
拝観料は500円でした。
基本的に室内の撮影は禁止されており、こういったお庭なんかは撮影OKでした。ここのお庭も今は緑ですが、秋になると赤や黄色、オレンジの紅葉で美しい風景になるんだとか!
毘沙門堂の見どころですが、本堂には不思議な動く襖絵があるのです。撮影ができないので、お写真をHPからお借りしてきましたが、
各部屋の襖にはこのような絵が書いてあります。もちろん大きさは襖サイズなんですが、一見普通の絵ですよね?でも、あら不思議!左から右へ、右から左へ移動すると中央の机が長くなったり短くなったりして見えるのです。
襖の他にも、このような鯉の掛け軸のような縦の絵もあって、鯉の目を見ながら左から右へ移動すると、あら不思議!鯉が自分に付いてくるように見えるではありませんか!?
こんな感じの動く襖絵が書いてあるお部屋が5つほどあるので、「次の部屋にはどんな動く絵があるのかな?」と、楽しみながら本堂見学をするこができました。
で、普通はここで満足して毘沙門堂を後にしがちなのですが、最後の部屋に、ある仕掛けがありました・・・!
撮影禁止のために、お写真をお見せできなくて残念なのですが「梅の間」というお部屋が最後にあります。
ここの襖には「梅の木に雉(きじ)がとまり、竹にひよどりがとまっている絵」が書かれていました。
さて、「梅に雉(きじ)、竹にひよどり」・・・これでピン!ときた方はいらっしゃったでしょうか?
私は、もちろん何も知りませんでしたので、梅の間で「へ〜、綺麗だね〜」くらいでその襖絵を見ていました。すると、襖絵に説明書きがあることに気が付きまして、それを読んでみた所「梅の間は別名「いけずの間」とも呼ばれています」と・・・
「いけずの間」・・・?
「いけず」と聞くと、京都の方言ですが、私はそれが何か意味をよく知りませんでした。
実は「いけず」とは「意地悪」の意味を持つのです。「いけずの間」つまり「意地悪の間」ということになるではありませんか!「梅の間」は、一体何が意地悪だったのでしょうか!?
さて、話は戻りまして、「梅に雉(きじ)、竹にひよどり」これがおかしいことに気が付きましたでしょうか!?
実は、日本画では「梅に鴬(うぐいす)、竹に雀(すずめ)」の組み合わせが美しいとされています。「梅に鴬(うぐいす)」は咲いている梅の枝に鶯(うぐいす)がとまってさえずる、さまになる光景から絵になる取り合わせ、「竹に雀(すずめ)」も同じような意味を持っていて、美しく調和することを例えて使われます。
なので、「梅に鴬(うぐいす)、竹に雀(すずめ)」の絵だったら、取り合わせがいいのですが、「梅に雉(きじ)、竹にひよどり」だと鳥が合っておらず、「鳥が合わない」→「とりがあわない」→「取り合わない」となり間接的に「お引取り願います」の意味を持つお部屋ということにるのです。
なんと意地悪なお部屋!!!なので、もし、京都のお宅にお呼ばれをして襖とかかけじくに「梅に雉(きじ)、竹にひよどり」が書かれていたら、その家の主に会うことはできないということになるのです。
なんと恐ろしい!!!これを見て、主人とわーわー言っていたら、たまたま住職さんが通りかかり、「この部屋に通されたら会いたい人には会えないのですが、ちゃんと「梅に鴬(うぐいす)」、「竹に雀(すずめ)」のお部屋もあるのですよ。お気づきになられましたか?」と声をかけてもらえました。
えっ!そうなの!?と来た道をまた戻ってそのお部屋を探した所、ありましたー!
「梅に鴬(うぐいす)、竹に雀(すずめ)」の美しいお部屋です!!なるほど、この部屋に通されたら、受け入れられたということなのね!京都怖い!(笑)
ちなみに、昔「梅に雉(きじ)、竹にひよどり」のお部屋に通された方がいて、襖の絵を見て悟ったその人は、即座に帰ったそうです。それを知った家主の方は後日改めてその方を「梅に鴬(うぐいす)」、「竹に雀(すずめ)」のお部屋にお呼びしたのだとか!
こういったことから、京都の人は本音を言わないと言われてしまうのでしょうが、京都の方々がいかに美しく奥深い教養があるのか、ということも分かった瞬間でした。
確かに、主人の実家にも奥の部屋に入る前の小部屋みたいなところがあるんですよね。お義父様に「ここは何のお部屋ですか?」と聞いた時があって、「ここは奥の部屋に入れていいか、お帰り頂くか判断する部屋や」と言われたのを思い出しました。形は違うのですが、誰でも簡単には受け入れないという意味では共通していますね。
歴史を知れば知るほど面白い文化の京都、今回も大変勉強になりました!是非、紅葉シーズンに毘沙門堂に参拝に行って、そのお部屋を見て来てくださいね♪
以上、「京都・毘沙門堂(びしゃもんどう)で学ぶ「いけず」な京都人」でした。
「毘沙門堂」の場所はこちら↓
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